2006年08月05日

僕の旅番外編・長崎のマニアック歴史ポイント

長崎旅行と言えば、全県的に見ると外側から壱岐、対馬、五島列島の島々。平戸。島原・雲仙の、武家屋敷跡と城、原城址、キリシタンの足跡。西彼杵の隠れキリシタン。佐世保とハウステンボス。こう上げてもキリがないほど見所が多い。長崎だけで10日居たって追いつかないだろう。僕も、正確には数えていないけれど7、8回は足を運んでいるのではないか。それでも見切れない史跡と名勝の多さ。

長崎市内だけをとっても、とても一日や二日で見切れるものではない。さほど広くない街であるのに、これほど奥が深い街も珍しいのではないかなあ。

普通の人が訪れる観光ポイントは、こんな感じだと思う。
駅から歩いてすぐの聖フィリッポ西坂教会。ここには日本二十六聖人記念館がある。必見だ。南山手方面へ行って大浦天主堂、グラバー園。東山手では孔子廟そしてオランダ坂。新地中華街と、歴史の足跡である唐人屋敷。今や復元されてテーマパーク化している出島。おくんちの諏訪神社。シーボルト邸宅と記念館。崇福寺や興福寺などの唐寺。 眼鏡橋。繁華街の思案橋と龍馬ゆかりの料亭花月。このくらいは普通に歩くと思われる。長崎は市電一日乗車券が驚きの値段である500円で販売されており、これで市内を縦横無尽。しかし、丁寧に見ていると上記の観光スポットも一日で回りきるのは難しい。そんなに通り過ぎることが出来る場所ばかりではないからだ。じっくり見てこそ値打ちが生じる。
しかも、昨年秋に長崎歴史文化博物館がオープンした。僕はここにはまだ行けていない(最も近くで行ったのが昨夏であったため)。工事中の館を指をくわえて見ていた。こういうところは入れば、更に時間がかかるに違いない。

これらの観光スポットは、長崎観光ガイドとして有名な「長崎のさるき方」に詳しい。これを見るだけでも、長崎を一日で歩くのは難しいとわかる。

ところで、長崎観光というのはそれだけではない。例えば、坂本龍馬という人物のファンであるならばさらに行く場所が倍増する。長崎は龍馬はんゆかりの地。龍馬はん巡りだけで一日が過ぎる可能性も。

ただ、これらのポイントは、想像力を要する。たいていは石碑がひとつぽつんと建っているだけである。この石碑を見つつ、幕末の長崎、白袴をはいた海援隊のメンバーの顔が浮かぶようになれば、それは史跡探訪の悦びである。旅のグレードが上がるだろう。


例えばこういうところを見て、想像力を逞しくして欲しい。これは県庁脇にある石碑だが、この海軍伝習所という文言から勝のとっつぁんの顔が浮かべば、旅は一層充実する。

長崎駅から少し歩くと、本蓮寺がある。勝のとっつぁんの長崎での拠点だ。おそらく龍馬はんも最初に長崎にやってきた時にはここに居ただろう。

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ここには、海援隊のメンバーでも重鎮の沢村惣之丞の墓がある。これを見つけるのは大変で、僕も長崎3度目くらいでようやくたどり着いた。自力で行くのは無理で、本蓮寺に尋ねれば丁寧に場所を教えてくれる。最初からそうすればよかった(汗)。

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おもては村木氏ほかの墓となっている。これじゃわからない。側面を見ると…

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右から三番目に「関雄之助(沢村惣之丞の別名)」の文字が見える。これを見つけたときには嬉しかったね。コミックス「おーい竜馬」の愛読者は沢村惣之丞を好きな人が多いだろう。残念ながら悲しい末路となった沢村惣之丞だが、実に才能溢れる人物であった由。合掌。

さて、坂本龍馬と言えば長崎においては「亀山社中」であるのだけれど、ここは残念ながら閉鎖されてしまった。

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今は外観を眺めるしかしょうがないのかもしれない。近くに資料館は出来たはずだが、これはまだ僕は行っていない。

亀山社中は高台の上にある。なかなか夏は暑くて上るのが大変。そして、その高台は風頭公園へと続く。ここは観光スポットであり、人も多いだろう。
龍馬はんの銅像がそびえる。

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やっぱり海を見ている。カッコいいねぇ。

司馬遼太郎さんの碑もそばにある。また近くには写真家、上野彦馬の墓もあるのでついでに参るといい。あの写真を撮った人ですからね。

風頭公園は山の上である。そこから下りると寺町、その間の斜面はほとんどが墓地になっている。この墓地の一角に、あの近藤長次郎さんの墓がある。

ただ、これは探すのは無理だろう。僕はずいぶんと墓地を上がったり下がったりして、偶然に見つけることが出来たが、これはやっぱり皓台寺に聞いた方がいいのではないか。大変ですよ探すのは。案内板があるわけではなし。

長次郎さんの墓を探す途中で、思わず見つけたお墓がある。
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これは、楠本家の墓である。つまり、シーボルト・イネさんの実家ですね。イネさんも当然いらっしゃいます。

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この画像ではわかりにくいのだが、そのお墓の隣に二宮敬作の小さなお墓があった。これは、ここに来るまで知らなかったことである。感激した。
司馬遼太郎「花神」を読んだら二宮敬作のことはご存知だろうと思うが、宇和島の「医聖」と呼ばれた人物。イネの師匠でもある。こんなところに眠っていたとは。合掌。

さて、その近くに近藤長次郎さんの墓はあった。

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見にくいが、入り口に赤字で「小曾根」の文字がある。

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入ってすぐ左手に並ぶ墓の真ん中が長次郎さんの墓である。

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長次郎さんは梅花道人(梅花書屋)と称していて、彼の切腹を悼んだ龍馬はんがこの墓石に直接「梅花書屋氏墓」と刻んだと言われている。これは龍馬はん直筆なのだとすれば、気持ちが表れているような気もする。惜しまれる才能に合掌。

さて、街歩きを続ける。もう○○跡というのはもの凄い数であって、いちいち行ってはいられない。例えば…

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このなんでもない住宅は、実は上野彦馬の生誕地であるわけなのだが、そんなところまでマニアックに歩いてもいられない。こういうところを尋ねて思いに耽るのが僕は好きだが、そんなのは人に薦められない。

しかし、街歩きで見逃してはいけないポイントもいくつかある。

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これは医学伝習所跡である。司馬遼太郎の「胡蝶の夢」を読んだ人はここに立って欲しい。松本良順の事跡を長崎に訪ねようと思ったら、この石碑くらいしかないのである。

近くには、小曾根邸跡がある。

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ここは今は法務局となってしまっているが、なんと言っても亀山社中の原点の地である。夢を大いに語った龍馬はんとその仲間達のことに思いを馳せたい。

さて、このおっさんも忘れてはいけない。

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長崎でついに龍馬はんとシェイクハンドした後藤だが、かなり派手に遊んでいたのかなあ。

街中には、その根拠地が。

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ここらへんはもう繁華街である。呑みにいきたくなる。ネオンが嬉しい(笑)

さて、そんな繁華街の中にこんな碑が。

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本当に陸奥宗光はこの女傑に食われてしまったのだろうか(笑)。ありゃ小説だが、絶対に無かったとも言えまい。



こういう話はきりがないのでひとまず措く。

長崎は、原爆の街でもある。爆心地は一駅離れた浦上で、そこには北村西望の平和祈念像を中心とした平和公園があり、平和への願いを込めてあるくといい。長崎の鐘もそこにはある。長崎原爆資料館も絶対に訪れなければいけないところ。しかしそれだけではいけないような気がする。せっかく行ったならもう少し歩いて欲しい。

例えばこういうところ。

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自らも被爆したにも関わらず、白血病と闘いながら被爆者への救護活動を続け、原爆・被爆に関する研究を続けた永井隆博士の、わずか畳2枚の小さな住居「如己堂」である。「長崎の鐘」「この子を残して」などの著作も有名だ。

ここから浦上天主堂に向かって歩く。

浦上天主堂が見えたら、その脇に寄ってほしい。こんな爪あとが残されている。

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上方に見える赤いレンガの建物が浦上天主堂である。

平和公園の傍には、爆心地が公園となっている。

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ここがグランド・ゼロ地点である。今も花や千羽鶴が絶えない。

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公園内には、浦上天主堂の残骸も移築されている。
その他、園内には被爆当時の地層も見られるようになっている。
平和公園は盛況なのに、何故かこの落下中心地公園は人影も少ない。

少し離れたところに、有名な一本足鳥居がある。
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この片足鳥居の残骸も残されている。
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平和記念像だけ見て帰ってしまう人が多いので、少しこんな場所も歩いて欲しいと思う。


長崎は、歩けば歩くほど奥が深い。半日やそこいらで一通り見てしまうよりも、テーマを設定してじっくりと見ていけば、旅の楽しみは何倍にも膨らむのではないだろうか。




なお本編の姉妹編として、僕の旅番外編・高知のマニアック歴史ポイント僕の旅番外編・萩のマニアック歴史ポイントもよろしければご覧下さい。
posted by 凛太郎 at 14:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅記事 | 更新情報をチェックする
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